茂手木秀行【連載】フォトグラファーのためのデジタルワークフロー:第4回
デジタルフォトは機材選びから始まる
画素数とセンサーサイズの関係
昨今のデジタルカメラの進歩は目覚ましく、最も目に見えるかたちでは画素数の増大が挙げられますが、果たして画素数はどこまで必要なのでしょうか? 今回は、デジタルカメラの画素数や画像解像度について考察します。
上の図は、実際に市場にあるデジタルカメラの画素数とセンサーのサイズを比べたものです。大きいほうはバック形式の3300万画素クラスで、センサーは48ミリ×36ミリ。長辺方向に6726個の画素、短辺方向に5046個の画素がある状態を表しています。これに対して小さいほうがAPS-Cサイズ、35ミリ版型デジタル一眼レフ1200万画素クラスのセンサーです。こちらのサイズは、23.7ミリ×15.7ミリ。長辺方向に4288個の画素、短辺方向に2848個の画素がある状態を仮定したものです。
ここでは画素数と長辺方向の距離に注目しましょう。中判デジタル3300万画素では48ミリ÷6726ピクセルなので、画素中心同士の距離は7.14μm(マイクロメートル)です。一方、APS-Cサイズ1200万画素では、23.7ミリ÷4288ピクセルで画素中心同士の距離は5.53μm。この画素中心同士の距離をピッチ間距離といい、デジタルカメラのセンサーの実質的な解像力を規定しています。
密度が高くなるAPS-Cサイズのほうが、センサーとしての解像力が高くなっています。ピントが合っていると認識される範囲の点像のぼけ具合を「許容錯乱円」という量で表し、点は幾何学的に面積を持ちませんが、レンズの収差などで面積を持った像として結像します。この際の円の直径が許容錯乱円で、フィルムでは許容錯乱円を30μmとしてレンズ設計が行われたり、被写界深度が計算されていました。デジタルの場合、センサー自体の解像力が高く、コンデンサーレンズが組み込まれていることから、最小錯乱円はもう少し小さくなります。
許容錯乱円の数値を明示しているカメラメーカーはありませんが、最新のレンズ設計や撮影の経験則から、デジタルでの許容錯乱円は20μm前後と推測できます。センサーの解像力としてピッチ間距離を計算しましたが、実質的に20μmを分解できればいいので、APS-Cサイズと比べて密度が若干低くなる中判デジタルでも、同一面積あたりの解像力は一緒だと考えられるでしょう。
デジタルカメラのセンサーの解像力については、引き続き次回の連載でも詳しく説明する予定です。





