大阪・朝日放送(ABC)では、全国高校野球選手権大会のニュース用の映像素材の編集用として、アップルのSANファイルシステムXsanとFinal Cut Proを使用した新たな編集システムを導入しました。新システムの導入によって、中継車からの映像をハードディスクに収録すると同時に、並行して編集を進める、いわゆる「追いかけ編集」が可能となり、収録から編集、系列局への配信までをテープレスで行えるようになりました。 |
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このダイジェスト映像の編集用として、今年から新たにアップルのXsanとFinal Cut Proを利用した新システムが稼働しています。甲子園球場から大阪の朝日放送本社に送られた映像は、映像収録用のPowerMac G5を介して随時ハードディスクに格納されます。2台の編集用PowerMac G5上からは、収録された映像をFinal Cut Proで読み出し、直ちに編集を開始することができます。 NTSC圏では他に類を見ない、Xsanを利用したライブキャプチャーと追いかけ編集の採用に踏み切ったことについて、朝日放送株式会社制作技術局制作技術センターの税所洋貴氏は「これまでの実績を考えれば、十分実現できるという見通しは立っていました」と語ります。 朝日放送がPowerMacとFinal Cut Proを使った映像編集システムを初めて導入したのは、2003年3月のことでした。「地上デジタル放送の開始を睨んで、社内でもHD編集へのニーズが高まっており、リニアの編集機器に比べて圧倒的にコストパフォーマンスのよいHD編集システムとしてアップル製品に着目したのです。最初は番組制作用のシステムとしてPowerMacとFinal Cut Proを導入し、自社制作のドラマの編集で利用するところからスタートしました」(税所氏)。 ドラマの編集では、スタンドアローンで利用していましたが、制作技術センターでは、さらにその先を行く編集システムとして、安価な大容量ストレージであるXserve RAIDや、ストレージを高速で読み書きし、かつ複数台のMacから利用可能なXsanには、早くから注目していたと言います。 「今年に入ってXsanが日本で発売されるとすぐに、HD圧縮(DVCPRO HD)、SD非圧縮、SD圧縮(DV50/25)など様々な環境下で試しました。その結果、どのフォーマットでも安定的に動作することが確認できたので、高校野球のダイジェスト編集でこのシステムを採用することにしました」と語るのは、制作技術センターの井上隆也氏です。
放送事業者にとって、最大の関心事である「安定性」についても、「問題はありません。想像以上の高い安定性に満足しています。万一のためにとレンタルしておいたDiskRecorderとリニア編集機は出番がありませんでした」(井上氏)。 大会期間中、現場の運用統括を行っていた報道情報局の本多英晴氏からも「昨年までのリニアベースの編集設備と比較し、今回のシステムは収録直後から追いかけ編集ができ、尺を自在に調整できるので、編集時間は大幅に短縮されました。来年度以降も是非このシステムで運用したいと思っています」と好評を得ています。 次ページ:番組制作の新たなワークフロー構築を目指す |