朝日放送 株式会社
Xsanで生中継映像を収録と同時に編集
全国高校野球のダイジェスト映像編集システムとして大幅な時間短縮を実現


ANN Xsanベースライブ収録/編集システム概念図

番組制作の新たなワークフロー構築を目指す

朝日放送の高校野球素材映像の編集システム。PowerMac G5とXserve RAID、Xserve G5によるXsanによる追いかけ編集が行われている。
朝日放送の編集システムを構成するのは、3台のPowerMac G5とXsanストレージとなる3台のXserve RAID、そしてXsanのメタデータコントローラとなる2台のXserve G5です。各マシンはそれぞれファイバーチャネルスイッチと、ギガビットイーサネットスイッチに接続されています。編集用の2台のPowerMac G5ではFinal Cut Proが利用できるようになっており、収録用のPowerMac G5には、英Gallery社のライブキャプチャー用ソフトウェアPictureReady!が搭載されています。このシステムの構築を支援したSIは、アブソリュート・イナッフ株式会社です。

税所氏は、Xsanを使用してみて、そのコンフィグレーションの容易さに驚いたと語ります。「以前に、他社のSANシステムのコンフィグレーションをしたときと比較すると、Xsanははるかに扱いやすいですね。我々が自分たちで扱うことのできるSANシステムだと感じます。Xsanシステムは、繋がっているクライアント数、扱う映像の圧縮比、ストリーム本数に合わせてコンフィグレーションを変えることによって、最適なXsan環境を得ることが可能ですが、Xsanは数分〜数十分もあれば再構築が可能なため、今回構築したシステムもコンフィグレーションにはあまり時間はかかりませんでした」(税所氏)。

高校野球のオペレーターは、普段、リニアをメインで使っていて、今回のシステムに触れるまでFinal Cut Proは未経験だったそうですが、SIの担当者からリニアや他のシステムとの違いについて説明を受けて使用を始めたところ、すぐに使いこなせるようになったと言います。「懸念していたリニアオペレーターのFinalCutPro習得には、ほとんど時間がかからなかったので驚きました。高校野球大会の終盤にはシーソーゲームが多かったのですが、試合の途中から編集を開始でき、尺を自在に調整できるこのシステムはかなり活躍しました。来年度以降は、さらに複数回線同時収録やクライアント数増、HD対応なども検討したいと思います」(税所氏)。

税所氏は、次の目標としてPictureReadyとXsanを利用して、自社制作の番組をダイレクト収録したいと考えています。「ノンリニア編集は、編集の際には便利だということは誰でも知っています。唯一の弱点は、デジタイズに時間がかかることですが、ダイレクト収録には、その時間が不要になるという大きなメリットがあります。今回の高校野球で、Xsanでのダイレクト収録は十分実用に耐えられることが実証できました。次は、スタジオ収録や回線収録で、開始や停止をリモート制御できるようにしていきたい。現在、そのための検証を進めています」(税所氏)。

制作技術局 制作技術センター ポスプロ担当部長 吉田貞樹氏
最後に、朝日放送において、今後Xsanを利用した映像編集システムがどのように利用されていくのか、制作技術局制作技術センターポスプロ担当部長の吉田貞樹氏に聞いてみました。「Macベースの編集システムは、コストパフォーマンスの点で、従来の放送専用機器よりはるかに優れています。ただし、耐用年数や交換部品の入手可能な期間などは、短いのではないか、とも考えています。従来の専用機がすべてメーカー任せであるのに対し、Macベースのシステムは、使い方はもちろん、部品の確保などについても、自分たちの手でやる必要がありそうです。使う側が、経験を積み重ねることによって、より利用価値の高いシステムになっていくのではないでしょうか。」

「朝日放送は2008年春に、新社屋に移転する予定です。新社屋は4つのテレビスタジオ、公開収録用ホール、5つのラジオスタジオを有し、コンテンツ制作と配信を重視した『創造工場』というコンセプトです。Macベースの映像編集システムが、我々にとっての戦力になってくれることを期待しています」(吉田氏)。

取材:2005年8月

Pro/Video

Xsanで生中継映像を収録と同時に編集
1. スポーツ報道をよりスピーディーに
2. 番組制作の新たなワークフロー構築を目指す



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