株式会社ディーウォーカー
Final Cut Pro HDとXserveで映像制作の新たな可能性を拓く
ネットワークを介して遠隔地との共同作業を実現


ディーウォーカーのスタッフ全員がMacユーザ。ディレクターはPower Mac G5とApple Cinema Displayを使用。それ以外のスタッフはiMacやiBook、eMacなどを使用している。
Xserveとネットワークを介して共同作業を実現

ディーウォーカーのオフィスを見渡すと、Power Mac G5、iMac、iBook、eMacなどさまざまなタイプのMacが各自のデスクの上に置かれているのが目につきます。春日氏は、共同作業の基本は「情報の共有」だと考えています。社員が使用するマシンとしてMacを選んだのも、簡単な設定だけでネットワークを構築し、ファイルが共有できるからです。LANで結ばれたMacは、さらに1台のXserveと接続され、光回線でインターネットにつながっています。Xserveは社内のファイルサーバとして、また外部の協力会社やクライアントとのファイル共有用としても利用されています。

「サーバを社内に設置しようと思ったのはインターネットで映像が見られるのは当たり前の時代になったのだから、それを仕事に活用したいという考えからでしたが、いざ導入しようと調べてみるとXserve以外の選択肢はなかった」と、春日氏は言います。「われわれのように小規模で、専任のネットワークエンジニアが一人もいない会社が、自分たちの手でサーバを設置したり社内LANを構築したりできるのは、技術的にもコスト的にも、XserveとMacという組み合わせ以外考えられませんでした」(春日氏)。



社内のMacからサーバ上にファイルをアップロード、ダウンロードするには、ドラッグ&ドロップするだけで済みます。社外の協力会社やクライアントとファイルを共有したい場合は、相手先の会社専用のフォルダを作り、IDとパスワードを設置して、URLとID、パスワードを相手に伝えます。相手側からも、同じようにドラッグ&ドロップでファイルのアップロードやダウンロードができます。これは、Xserve側がはじめからWebDAVサーバとしての機能を備えているためです。MacからもWindowsからもFTPソフトすら使わずにサーバ上のフォルダやファイルにアクセスできるため、協力会社にも好評だと言います。ディーウォーカーでは、スケジュールの履歴などさまざまなデータが自社の側で一元的に管理できるという点にもメリットを感じているそうです。

テレビ放送の方式にはNTSC/PAL/SECAMの3種類があり、異なる方式で録画されたビデオテープは再生できない。Final Cut Pro HDで編集した映像をQuickTime形式で出力し、インターネットを介してストリーミング配信すれば、PAL圏、SECAM圏でも直ちに映像を確認することができる。

海外の会社との共同作業もスムーズになりました。海外に進出した日本企業からプロモーションビデオの編集を依頼された際は、海外にいる担当者に映像の編集具合をチェックしてもらうため、QuickTime形式のファイルをサーバに置いて、ストリーミング配信しました。「クライアントがPAL圏の国だったため、日本と同じNTSC方式のビデオテープに録画して送ったとしても、先方では見られなかったのです。しかし、NTSCとPALの変換にはコストがかかります。サーバからストリーミング配信するというやり方には、時間の節約とコストの削減、両方の効果がありました」(春日氏)。

今後は海外の企業との仕事を積極的にすすめたいと春日氏は考えています。人件費の安い海外の会社に、マスク切りや合成の下準備等の作業を発注するといったことも実験的に始めました。逆に、海外で撮影した映像素材をネットワーク経由で日本のディレクターが編集するという可能性にも期待しています。「Power Mac G5とFinal Cut Proによって、ネットワーク経由で素材を受け取って、編集した結果を見てもらえば、ディレクターが海外に出かけていく時間も、費用もかからないし、現地で編集機材を用意する必要もありません。つまり、制作の仕方が根本から変わってきています。世界のマーケットに出て行く大きなチャンスだと思っています」(春日氏)。

編集作業が社内で完結できれば、大きなコストをかけずに新しい試みにも挑戦できます。そんなディーウォーカーの新しい作品が世界的アーティストの作品集です。「東京都庭園美術館でフランス在住の芸術家田原桂一氏の作品展が開かれるのですが、そこで販売されるDVD図録はディーウォーカーが在仏の田原氏とXserveを介したコラボレーションで制作したものです。会場での販売だけでなく、一般販売やヨーロッパでの販売も予定されています」。このDVDのオーサリングには、DVD Studio Proを使用したそうですが、Final Cut Proのムービーを直接取り込む機能があるため、効率よく作業が進められたといいます。「DVDを見た海外の方たちが、編集した私たちの感性、センスに注目してくれたら嬉しいですね」(春日氏)。

取材:2004年9月

Pro/Video

Final Cut Pro HDとXserveで映像制作の新たな可能性を拓く
1. テレビ放送品質で編集可能なFinal Cut Pro HD
2. すべての編集作業を自分自身の手で
3. Xserveとネットワークを介して共同作業を実現



「田原桂一 光の彫刻」は東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)にて2004年11月20日(土)〜2005年1月23日(日)まで開催される。図録にはディーウォーカーが制作に参加したDVD2枚組の作品集が付属する。



ショートムービー「SHIROTAKU」
Final Cut Proで制作したディーウォーカーの自主制作。深夜の東京を舞台に繰り広げられるブラックコメディ。ディレクター・園田俊郎氏の初監督作品で、海外国際映画祭出品予定。



WebDAV
WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)WWWで使用されるプロトコルHTTPを拡張して、クライアント側からサーバ側のフォルダやファイルを管理できるようにしたもの。FTPに代わる新しいプロトコルとして注目を集めている。
なお、Xserveに搭載のMac OS X Serverは標準でWebDAVサーバ機能を備えている。



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