株式会社共同テレビジョン
映像メディアの多様化に対応する新たなワークフロー
Final Cut ProとDVD Studio Proの連係でDVDを制作


平松愛理「秋の虹」特典DVDより
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テレビ番組などの映像制作を行なう共同テレビジョン。取材・撮影部門である取材技術部において、Final Cut ProとDVD Studio Proを使ったDVDビデオ制作が行なわれました。社内の映像編集セクションではなく、取材技術部が独自でDVDビデオ制作を手がけるに至った背景には、何があったのでしょうか。

社内分業の垣根を越えたDVD制作


共同テレビジョン取材技術部は、50クルー以上という日本でも最大規模のENG取材チームを擁する撮影・取材のスペシャリスト集団です。東京・お台場にある取材技術部には撮影クルーが待機しており、ニュース番組や情報番組の取材要請があり次第現場に向かいます。そんな取材専門のセクションに、2004年4月、1台のPower Mac G5とFinal Cut Pro、DVD Studio Proが導入されました。

共同テレビジョン社内には取材技術部とは別に、撮影された映像の編集や制作を専門に担当するセクションが存在しています。こうした中、取材技術部が自らPower Mac G5とFinal Cut Pro、DVD Studio Proを導入することになった背景について、同社の取材技術部 テクニカルコーディネーターの山下浩氏は次のように語ります。「映像を制作するディレクターの中に、自らFinal Cut Proを使って編集する人が増えてきたというのが大きな理由です。我々が撮影した素材がデジタイズされた後どうなるのかを知っておきたい、また、タイムコードをどのように取れば、後の編集に役立つかといったことも知りたかったのです。“自分たちで編集をするため”というよりは、“何ができるのかを検証する”というのが最初の目的でした」。

テクニカルコーディネーターとは、「撮影の現場と制作の間を繋ぐ存在」と山下氏は言います。「BS/CS放送、DVD、インターネットのブロードバンドコンテンツなど、映像メディアも多様化し、ローコストで迅速な映像制作が求められています。従来、撮影の現場というのは“いい絵を撮ること”を何よりも重視していましたが、これからは制作の意図にあった形で撮影していくことも同時に考える必要があります。そのための技術的な課題を検証したり、新たなワークフローを考案したり、適切なアドバイスをするのが私の役割だと考えています」(山下氏)。

株式会社共同テレビジョン 技術センター 取材技術部 テクニカルコーディネーター・山下浩氏。テクニカルコーディネーターの傍ら、Jスポーツのスキー番組のテクニカル・ディレクター(TD)、中継のスイッチャーを務めることもある。
そんな山下氏の元に、アーティスト・平松愛理のライブDVD制作という仕事が持ち込まれました。DVDといっても単体で商品としてリリースするためのものではなく、アルバムに付属する「特典DVD」という位置づけであったことで、コストにも制約がありました。すでにDVD Studio Proの検証を行なっていた山下氏は、このライブDVDのオーサリングにDVD Studio Proを採用してみることにしました。外部の会社から受け取った編集済み映像の内容確認と尺詰めには、Final Cut Proを使いました。「大手のDVDプレス工場は、プロ用のオーサリングシステム“Scenarist”が書き出したDLTしか取り扱っていませんでしたが、Power Mac G5とFinal Cut Pro、DVD Studio Proというシステムで、十分業務用のDVD制作が可能であることが実証できました」(山下氏)。

編集やポスプロの担当部門ではない取材技術部がDVD制作をしたことは、共同テレビジョン社内でもさまざまな見解を呼びました。しかし、山下氏はそれが実現可能である」ことに大きな意味があると考えています。今、映像制作のニーズに、高い機動力を持つ少人数スタッフによる仕事が増えています。短い時間の中で小回りが利き、制作意図が伝わりやすいからです。しかし、こうした機動力を駆使した少人数制作の場合、従来のワークフローでは時として対応しづらく、フレキシブルに対応できる新たなワークフローが必要となります。そのワークフローの構築はFinal Cut ProとDVD Studio Proによって可能となりました。「Final Cut Pro、DVD Studio Proを使えば、従来よりはるかにコストパフォーマンスの高いシステムが組めます。取材技術部の最初の作品となる「秋の虹」DVDでは、外部の会社と協力し制作しましたが、次に撮影からDVD制作を一貫して行なうにあたり、新しいワークフローを構築するための確かな手応えを掴むことができました。スタッフがいるから、高価な機材や設備を持っているからといって、映像制作のプロセスの一部分のみを担当することに甘んじてはいられません。我々のような制作会社には、映像制作のプロセスをトータルに考え、自らの強みをいかにクライアントに提案できるか、そういう力が求められていると思うのです」(山下氏)。

次ページ:パフォーマンスに優れたDVD制作ワークフロー

Pro/Video

映像メディアの多様化に対応する新たなワークフロー
1. 社内分業の垣根を越えたDVD制作
2. パフォーマンスに優れたDVD制作ワークフロー



プロフィール
株式会社共同テレビジョン

フジテレビ系列の総合番組制作会社。地上波、BS、CS向けのドラマやバラエティ、ドキュメンタリーなどのテレビ番組制作を行なうほか、映画やブロードバンド向けコンテンツの制作、企業向けのビデオ、CM制作、イベントの企画、アナウンサーの派遣など幅広い業務を手がける。同社技術センターは、常時50班という日本最大のENG取材チームを擁し、ハイビジョン中継車をはじめとする高度な技術設備、ビデオ編集・MAなど40室に及ぶポストプロダクション機能を持ち、テレビ番組制作、スポーツやコンサート中継にも対応している。1958年創立。



平松愛理「秋の虹」
4年ぶりとなるオリジナルアルバムには、共同テレビジョン取材技術部が制作した特典DVD(2004.4.21 平松愛理復帰ライブ映像)が付属。2004年10月6日リリース。



使用システム
アップル
Final Cut Pro HD
DVD Studio Pro
Power Mac G5



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