LOUIS VUITTON 六本木ヒルズ店

151年もの間、世界中の女性達の心を虜にし続けるLOUIS VUITTON。伝統的でエレガンス、美しいのに実用的。それがLOUIS VUITTONの魅力です。LOUIS VUITTONの六本木ヒルズ店に足を運ぶと、そこには時代を先取りするかつてない新しさがあります。店内を歩いていると、「なんだろう」と思わず立ち止まってしまう一角に遭遇します。足下に目を向けると、床一面になにやら楽しげな映像が踊り、見る人の全てを魅了します。床にテレビ画面が仕込んであるわけではありません。まるで床そのものがスクリーンかのように、映像を映し出しています。映像は斬新、かつエネルギッシュ。だが、決して主張しすぎることはありません。そこにはLOUIS VUITTONが提示するマルチメディアとエレガンスの融合が映像という形となって表現されています。

まるでひとつのイリュージョンのようなこの映像を制作したのはニュージーランドのクリエイター、マイケル・ホジソンとブルース・ファーガソンの2人を中心とした4人のチーム。音楽業界での二人の評判は瞬く間に世界に広まり、現在は多くの有名企業のイベントや変則的なディスプレイを使った広告などを制作する世界屈指の映像クリエイターとして注目されています。

 

「LOUIS VUITTONからの要望は二つ。とにかく楽しく、クリエイティビティにあふれたものを作ること。それ以外は自由な発想で取り組んで欲しいとだけ言われました。仕事としては、好きに創作して欲しいとリクエストされるのが一番うれしい反面、これが一番難しいところです。基本コンセプトが決まるまで、三週間もかかりました」(ホジソン氏)

 

「試行錯誤の末、三つの全く違う動画を作ることにしました。一つはとにかくスタイリッシュなもの。二つ目は遊び心があり、エネルギッシュなもの。そして三つ目はLOUIS VUITTONのルーツに起因する旅行をイメージさせるもの。三つの映像には直接的な関連性はありませんが、どれもが間接的にLOUIS VUITTONの伝えたいメッセージを伝える力を持っています。とにかく遊び心を前面に出し、楽しげな映像のサイクルを創ることによって、受け手が映像に集中しなくても、メッセージを伝えるものが作りたかったんです」(ファーガソン氏)

“新しいシステムを選ぶ中で、いくつかの選択肢があったのですが、私たちの条件を満たしてくれるのはアップルだけでした”

(ホジソン氏)

以前はリニアの旧態依然としたシステムを使って作業をしていたホジソン氏達でしたが、数年前、彼らの仕事を根本から変革する出来事がありました。

「システムを全てアップル中心に変えたんです。以前のシステムだと制作コストも高くなるし、時間もかかる。しかも、大きな制作スタジオが必要な割には表現したいものの半分も表現ができません。それに、時代がビデオカメラからデジタルビデオカメラへと変わっていってたのは明らかでしたから」(ホジソン氏)

DVカメラの利点を最大限に生かすことができるシステムを大前提とし、音楽制作のためのツールとして使え、コストパフォーマンスが高く、アプリケーション間の連携が優れ、かつ撮影機材とアプリケーションとOSとの相性がいい。しかも、抜群の安定性と機動性が必要。彼らの要望はクリエイターとして当然のものでした。

「アップルを選んだ理由は星の数ほどありますが、一つはOSの安定性。映像の圧縮中やレンダリング中にフリーズされたり、クラッシュされては全てが台無しになってしまいます。そして、FireWireも大きな理由の一つです。ケーブル一本でDVカメラやVTRとMacとの高速データ転送が可能だし、アナログで撮った映像もQuickTimeムービーとして取り込み、デジタルデータとして処理できるから映像の品質の劣化も心配ない。これは我々にとって大きなメリットです」(ファーガソン氏)

「もうひとつの理由としては、クリエイターにとって極めてわかりやすいユーザインターフェイスですね。新しいアプリケーションを使ったり、昔から愛用しているアプリケーションのアップグレード版が出る度に延々勉強したり、システムとの相性で悩んだりすることが、私にとってはたまらなくストレスに感じます。私たちはクリエイターであって、システムエンジニアではありません。その一方で、イメージした映像やサウンドを表現するのに専門の技術者やオペレーターを雇う気もありません。撮った映像や創った音は、自分で直接、感覚的に扱いたいんです」(ホジソン氏)

次ページ:スタジオでしかできなかった作業がどこでも可能に