QuickTimeのメディアスキンは「スキン」という従来の業界コンセプトを刷新するものです。
従来のスキンはメディアプレーヤーを単に飾り立てるためだけに使われていましたが、QuickTimeのメディアスキンを使えば、コンテンツ制作者はデジタルメディアの表示環境を独自にコントロールできます。
この新しい環境(Playerウインドウ)は形も大きさも自由で、QuickTimeがサポートするファイルフォーマットであれば、どれでも作成できます。再生コントロール機能を搭載したい場合、どこにでも配置できます。
QuickTimeのメディアスキンはメディアファイルと一緒にユーザに配布されますから、デジタルメディアの制作者は、あなた自身のコンテンツでしか味わえない、魅力的な体験を生み出すことができます。
そして何よりも素晴らしいのは、QuickTimeでは強力にAppleScriptがサポートされていますから、コンテンツ制作者は、バッチ処理でメディアスキンを自動的にコンテンツへ適用することも可能という点です。
2つの作成方法
QuickTimeのメディアスキンを作成するには、以下の手順に従って作成するか、Macでプロセスを自動化したい場合は、増え続ける強力なQuickTime用のAppleScriptをダウンロードしてください。
1. Add to Selection and Scaleコマンドを実行します。
2. 白黒画像を作成して、ウインドウとドラッグ可能領域(マスク)を定義します。
3. ファイルへの参照を記述したXMLテキストファイルを作成します。
4. 拡張子に.movを使って、作成したテキストファイルを保存します。
5. QuickTime Playerで開いて、独立再生形式ムービーとして新規に保存します。
作成手順
メディアスキンを作成し、メディアに追加するには、SimpleTextなどのテキストエディタ、Photoshopなどのグラフィックプログラム、QuickTime Proの3種類のアプリケーションが必要です。
手順1. ビデオムービーにメディアスキンを追加する
ビデオムービー
まずは、メディアスキンを適用するQuickTimeムービー(ビデオを含むもの)を用意します。これをVideo.movと呼びましょう。
メディアスキン
メディアスキンに使う画像を用意します。グラフィックプログラムを使って最初から作ったり、実際の装置の写真などをスキャンしてもかまいません。この「枠」となる画像は、QuickTimeがサポートするフォーマットであれば何でもOKです。これをSkin.pctと呼びましょう。
参考: 透過部分(下記参照)を設定する場合は、この画像中のムービー表示領域を決めておくと便利です。ムービー表示領域は四角形でも、それ以外でもかまいません。ムービー表示領域は、黒または白で塗りつぶしておきます。
ビデオムービーとメディアスキンを組み合わせる
メディアスキン(Skin.pct)とビデオムービー(Video.mov)の両方を、ProバージョンのQuickTime Playerで開きます。
Add to Selection and Scale: メディアスキンをコピーし、ビデオムービーに切り換えたら(ウインドウをアクティブにします)、Add to Selection and Scaleコマンド(編集メニューで選択)を使って、メディアスキンとビデオムービーを組み合わせます。
参考:QuickTime Proの詳しい使いかたについては、ヘルプメニューにあるヘルプファイルを参照してください。
Adjust Layers/Position: ムービープロパティウインドウを開き、必要に応じて、視覚設定で各トラックのレイヤを調節します(番号の小さいほうが前面に表示されます)。また、サイズやオフセットプロパティを使って、ビデオトラックの配置を変更できます。
ヒント:メディアスキンの透過部分を通してビデオトラックが見えるようにするには、ビデオトラックを後ろ側(大きいレイヤ番号)に設定します。この後、スキントラックのグラフィックモードを透明に変更して、透過色(通常は黒または白)を設定します。これで、ビデオトラックが透過部分から透けて見えるようになります。
保存:編集したムービーを独立再生形式で保存します。これをFramed.movと呼びましょう。
参考:この例ではメディアスキンに静止画像を使っていますが、覚えておいていただきたいのは、メディアスキンはムービーの表示に使う枠の形やマスクになるという点です。このマスクを通して表示できるメディアはQuickTimeがサポートしているものであれば何でもOKです。たとえば、この例で使ったビデオ映像や、QuickTimeの特殊効果(雲や炎など)も表示できます。
ムービーのコントロールボタンを、スプライトトラックやFlashトラックとして追加することもできます。コントロールボタンの作成には、ワイヤードスプライト(とTotally Hip LiveStage ProやAdobe GoLiveなどのワイヤードスプライトエディタ)を使ったり、Macromedia Flashを利用できます。
手順2. メディアスキンをビデオムービーに追加する
ウインドウのマスク
枠の大きさと形を決めるマスク画像を作成します。ムービーを再生するウインドウがこのモノクロ画像によって決まります。ウインドウ全体の形を黒で塗りつぶし、その他の部分は白くなるように画像を作成してください。画像フォーマットは、BMP、GIF、PICTなどQuickTimeがサポートするものであれば何でもかまいません。これをWinMask.pctと呼びましょう。
ドラッグ可能領域のマスク
次に枠のドラッグ可能な部分の大きさと形を決める別のマスク画像を作成します。この画像は基本的には1つ目のマスクと同じで、白い部分にはテキスト、ビデオ、コントロールボタンなどが表示されます。この画像もまた、QuickTimeがサポートするフォーマットのモノクロ画像として保存します。これをDragMask.pctと呼びましょう。
手順3. テキストファイルを作成する
テキストエディタを使って、次の構文を記述したテキストファイルを作成します(これまでのステップで作成したファイルへの参照個所に注目してください)。
<?xml version="1.0"?>
<?quicktime type="application/x-qtskin"?>
<skin>
<movie src="Framed.mov"/>
<contentregion src="WinMask.pct"/>
<dragregion src="DragMask.pct"/>
</skin> 手順4. 拡張子に.movを使って作成したテキストファイルを保存する
拡張子に.movを使って、作成したプレーンテキストファイルを他のファイルと同じ場所に保存します。これをSkinXML.movと呼びましょう。
参考: 保存されたファイルは、テキストファイルではなく、ムービーファイルとして表示されますが、気にする必要はありません。これはQuickTimeの機能によるものです。
手順5. QuickTime Playerで開いて保存する
SkinXML.movをQuickTime Proで開き、独立再生形式のムービーとして新規に保存します。これをSelf-contained.movと呼びましょう。
重要
Self-contained.movは必ず独立再生形式で保存し、配布にはこのムービーを使ってください。XMLで記述されたテキストファイル(SkinXML.mov)は外部ファイルを参照しているだけですから、インターネットを通じてファストスタート再生することはできません。独立再生形式のムービーではファストスタート再生が可能です。
完成したムービーはCDに収録したり、emailに添付して友人に送ったり、Webページにリンクとして埋め込むことができます。
追加情報
QuickTime Playerへリンクする
完成したムービーをインターネットで公開するときは、ムービーへのリンクをEMBEDタグを使ってWebページに記述します。以下は記述例です。:
<EMBED SRC="poster.mov" TYPE="image/x-quicktime" HEIGHT=120 WIDTH=160 HREF="Self-contained.mov" TARGET="quicktimeplayer"> EMBEDタグでは、poster.movというQuickTimeイメージファイルがWebページに埋め込まれます。この画像がクリックされると、QuickTimeがSelf-contained.movを開いてQuickTime Playerで表示します。
ヒント:ムービーをクリックせずに自動的に再生させるにはEMBEDタグにAUTOHREF="true"を追加してください。
ドラッグ可能領域について
ムービーの任意の場所をドラッグ可能領域にできますが、マウスイベントに反応するVRパノラマトラックやワイヤードスプライトトラックは、ドラッグ可能領域用のマスクで隠さないようにしてください。マスクしてしまうとドラッグ操作が優先されて、マスクの下のこれらのトラックにマウスイベントを伝えることができなくなります。
現時点での制限
現時点では、ムービーはスキントラックを1つだけしか持てません。つまり、複数のスキントラックを用意しても、それらをダイナミックに有効/無効にする(切り換える)ことはできません。スキントラック用のマスクは1ビットカラー(モノクロ)のPICTとしてムービー中に保管されますが、ダイナミックな変化には対応しません。
