What's On 『踊る大捜査線』プロデューサー 亀山 千広
 
──Macを使い始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

■亀山:僕はまったくパソコンがだめな人間だったんですけれども、『踊る大捜査線』のテレビシリーズを放送していた当時、NIFTY-Serveの「TVドラマフォーラム」で書き込みやチャットがものすごく盛り上がってるって話を聞いたんですね。そのころ僕はまだパソコン持ってなかったので、知り合いにプリントアウトしてもらって、それに目を通していたんです。最終回が近づくにつれて、渡される紙の量がどんどん増えていって、それを見ているうちに、ここに集まる人たちっていうのはテレビをただ見ている人ではなくて、「もっと参加したい」という意識を持った人たちなんだって思ったんです。それで「映画にしてもいいな」と、この人たちなら劇場でやれば絶対観に来てくれるんじゃないかなって確信したんです。それがまず、ネットに興味を持ち始めたきっかけでした。

──『踊る大捜査線 THE MOVIE』が公開された当時(1998年)、日本の映画でインターネットが宣伝・マーケティングに使われることはまだ珍しかったですよね。

■亀山:確かに『踊る』で変わったんじゃないですかね。インターネットの「オフィシャルサイト」が宣伝ツールとして認知されたところはあったと思います。これはもともと『THE MOVIE』の企画を立ち上げたときに、本広(克行)監督たちから「インターネットコンテンツを作りたい」という話があって、じゃあとにかく面白いものを作ってくれって。そのときは実はそれほど効果があるとは思ってなくて(笑)。

 効果を実感したのは『THE MOVIE』の公開初日の舞台挨拶のときでしたね。直前に、本広監督がオフィシャルサイトに最後の書き込みをしたんです。「舞台挨拶のときに、織田(裕二)の主題歌にあわせてラップをやってくれ」って。そんなのやらないだろうなって思ってたら、お客さんがみんなやってくれたんですよ。それで織田も僕も大感激しまして、その日のうちに「オレはパソコンを買うぞ!」って(笑)。で、本広監督に買ってきてもらったのがボンダイブルーのiMacだったんです。「これが一番です!」って言われて。

──亀山さんのインターネットライフがそこから始まったわけですね。それからもう6年近くが過ぎて、最近では高画質ムービーの配信が当たり前になってきたと思うのですが、プロデューサーとしてネットでの動画配信についてどうお考えですか?

What's On 『踊る大捜査線』プロデューサー 亀山 千広 ■亀山:僕はまったく抵抗ないんです(笑)。液晶ディスプレイは良くなってるし、QuickTimeムービーをみると、もうDVD以上に奇麗な画質になっています。でも、逆に「でっかい画面だったらもっとすごいだろうな」と思わせることだってできるじゃないですか。だから公式サイトで動画を見せたことで、お客さんが映画館に来なくなると思ったことがない。むしろ宣伝ツールとして、インターネットは最もプライベートなところに届けることができると思ってます。その効果は4年前に実感しているわけで。だからオフィシャルサイトはとことん充実させてやれ、と。

例えばオフィシャルサイトに行くと、登場人物の経歴が見られるようになってますよね? これはもともとドラマのためじゃなくて、ホームページ用に作ったんですよ(笑)。コアなファンが満足するだけの情報がここにはありますよ、と言いたくて、「署長さんはどこの大学出身だろう?」なんてみんなであれこれ相談して。でもそれ作っちゃったからつじつまを合わせなくちゃならなくなった(笑)。でもそれもコアに楽しんでくれるファンへのサービスですよね。

あと、アップルのQuickTime Trailersも重宝していますよ。海外の映画予告編が、日本で上映されるずっと前にまとめて見れるし、予告編の作り方という意味ではすごく参考になります。ハリウッドのトレンドが居ながらにしてわかるというのは、今までありえなかったことですよね。


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Contents
1: 宣伝ツールとして、ネットは最もプライベートなところに届けられる
2: いまは、あらゆる作業がPowerBook G4に集約されてきている