Macを始めた人たちの声 Fayray

作品を重ねるごとに深みと味わいを増していくミュージシャン、Fayrayさん。NYでレコーディングされた最新作『COVERS』では、ロバータ・フラック、エルトン・ジョン、ニール・ヤングなど、彼女自身が長く聴き親しんできた楽曲たちを艶やかにカヴァーしています。参加ミュージシャンに、マーク・リボーやショーン・レノンなど豪華な顔ぶれ。もともとコンピュータはメールを使う程度、という彼女ですが。さっそく付属のGarageBandを活用するなど、Macライフを思いきりエンジョイしています。



──Fayrayさんは現在iBookを使われていますが、Macを使い始めたきっかけは?

機械がもともと苦手なので、コンピュータにもずっと「仕事!」みたいな固いイメージを持ってたんですね。でもMac OS X Tigerはデスクトップのインターフェイスが優しい感じがして、「これなら使ってみたいな」って。アイコンがぽわんとバウンスする感じだったり、ウインドウをDockに片づけるときの、吸い込まれるみたいなアクションだったり。そういうやわらかさって、特に女性にとっては嬉しいですよね。実際に使ってみたら、いろいろなことが簡単にできるようになってびっくりしてます。特にいま使い込んでるのはGarageBandですね。

──ミュージシャンとしては、やはりGarageBandは気になるところですよね。

そうですね。ただ、音楽制作用のソフトを使うのはこれが初めてなので、フルに使いこなせているかっていったら自信はないんですけど(笑)。基本的にはオーディオインターフェイスを使って、iBookにピアノやギターを繋いで録音してます。あとは思いついたフレーズとか、曲のモチーフを記録しておいたりとか……。いままではボイスレコーダに録ってたんですけど、それだとやっぱり整理しきれなくて、すごくストレスになってたんですよね。思いついたフレーズはその場でカタチにしておきたいし、GarageBandだと、外出先でもパッとキーボードをつないですぐ録音できる。大量に記録したフレーズやモチーフは視覚で確認できるし、整理整頓もしやすい。私にとって、いまや曲作りに欠かせないものと言ってもいいですね。自分の頭の中がもうひとつあるって感じです。初めて作った曲もあるんですけど……お聴きになります?

(ここで、FayrayさんがGarageBandで初めて作ったという楽曲を試聴。ヴォーカル、ピアノ、キーボード、ギターをフィーチャーした、ちょっぴりアンニュイな楽曲。「マスタリングがちゃんとできていないので……」とのことでしたが、これが初挑戦とは思えないくらい完成度の高い楽曲でした)

──初めてでいきなりこのレベルというのもすごいですね。これを作るのに、どのくらいかかりました?

録音自体は5分とか10分とか、ホントそのぐらいですね。初めて触ったのにこれだけできたので、自分でもびっくりしてます(笑)。

──ミュージシャンとして音質など気になるところだと思うんですけど、実際にレコーディングしてみていかがでした?

作るのが結構簡単だったから、もっと“デモテープ”な感じの音になるのかなって思ってたら、ぜんぜん違うんですよね。いま聴いてもらった曲でギタリストの友人も、GarageBandの音の良さにすごく驚いてましたよ。彼は今までプロユースのソフトウェアを使ってたらしいんですけど、「いまのMacはこんなソフトが入ってるのか、使ってみようかなあ」って(笑)。

──MacとGarageBandは、今後のFayrayさんの音楽制作にどのような影響を与えそうですか?

自分の頭の中にあるイメージを、これまで以上に他のミュージシャンに伝えやすくなりそうですね。これまでもiPodを使って「こんなサウンドが好きだ」とか、「ピアノはこんな感じの音色で録りたい」とかって伝えていたんですけど、GarageBandで作った曲のモチーフがあれば、もっと具体的に伝えられそう。今回の『COVERS』で共演したNYのミュージシャンたちはみんなMacを使ってたから、今度彼らと会うときは、ファイルを交換しあったりとか、いろんなコミュニケーションがスムーズになりそうです。あと、GarageBandで毎日のように曲のモチーフを録音するようになって、それは自分にとってよかったなって思います。コンピュータと自分の作る音楽ってすごく遠いモノだと思ってたんだけど、Macがその距離をぐっと近づけてくれたっていうか……不思議だなって。

──それでは今後、音楽以外にMacをどのように活用していきたいですか?

写真と映像かな。iPhotoを使い始めてから、今まで撮りためておいた写真をiTunesに入れてある音楽と組み合わせてスライドショーを作ったりしてるんですよ。海外に滞在していて犬と会えないときなどは、犬の写真ばかり集めたスライドショーを眺めて癒されています(笑)。この夏にツアーをやるんですけど、Macで編集した空の映像とか、世界中で撮ってきた写真を会場で映そうと思ってるんです。音楽と写真の組み合わせ方とか、自分なりのイメージがあって、だからずっと自分でやりたいなと思ってたんですけど、Macがあればできちゃうってことに気づきました(笑)。もともと映像にはすごく興味があったから、これからもいろいろトライしてみたいんです。それこそiMovieで自分の曲のプロモーションビデオとかも作ってみたいですね。

──期待してます! それでは最後に、これからMacを始めてみようと考えている方や、「Macで音楽をもっと楽しんでみたい」と考えている方に、Fayrayさんならどのような楽しみ方をオススメしますか?

そうですね、GarageBandで演奏を録音するのもいいし、それこそ初めは単純に歌だけを歌って録音するだけでもいいと思います。ある哲学者の言葉なんですけど、歌うことって人間の三大娯楽のひとつらしくって、とにかく人は歌うことが好きだと。だから歌って、それを形に残しておくだけでもすごく楽しいと思う。日記がわりにもなるし。どんなものでもいいからオリジナルの曲を作って、結婚式とかイベントのときにプレゼントしたりするのもいいと思いますね。あとは告白のときとか(笑)。女の人って男性がなにかを作ってくれたりとか、「うそぉ!」って笑っちゃうようなベタベタなものが意外と好きですからね。

Macはなんていうか、自分の分身みたいなものだと思うんです。自分のアイデアや思いや言葉、見てるものや聴いてるものが全部この中に入ってるわけだから。コンピュータは苦手、と思っている人も、マニュアルを読んだりしなくてもMac OS X Tigerはある程度使いこなせると思うので、まずは始めてみてほしいですね。私もそうだったんですけど、そのあとに見えるものとか広がるもの、気づくものってすごくいっぱいあるから。