
バンドサウンドと音響的なアプローチの融合によって新たな「ポップ」の地平を切り拓くトルネード竜巻。
リスナーに向けて情報やコンテンツを積極的に発信している彼らは、オフィシャルサイトのコラム「音楽実験室 喫茶 ゲシュタポ」でも、毎回ユニークな「音楽実験」にメンバー自ら身体を張って(?)取り組んでいます。
そんな彼らが「喫茶 ゲシュタポ」の次なるテーマに選んだのは、「Mac miniとGarageBandで楽曲制作」。メンバー各自が楽曲のアイデアを持ち寄りGarageBandで楽曲を制作していく、という企画です。この企画に欠かせなかったのが、どこにでも簡単に持ち運びができて、MacユーザでもWindowsユーザでも、その場の周辺機器につないですぐに使い始められるMac miniでした。
──今回の「喫茶 ゲシュタポ」では、メンバーの皆さんのご自宅にMac miniが「お邪魔」して、GarageBandで音楽を作りあげていくという「実験」にチャレンジしていますが、このアイデアはそもそもどこから生まれたんでしょうか?
曽我 淳一(キーボード):僕らはスタジオでよく「こんなことやったら面白いんじゃないか」みたいな与太話をしてるんですけど、それを思いつきじゃなく実際にやってみよう、というのが「喫茶 ゲシュタポ」のコンセプトなんですね。ぼくらは音楽家なわけだし、曲ならいくらでも作るから聴いてよってところもあって。
で、今回の企画は「みんなの願いをかなえる」というのがテーマなんです。メンバーやスタッフから要望を集めて、それをすべてかなえる楽曲を作るっていう。みんな言いたい放題で、「宇宙を感じられる音」とか「アメリカンなロックリフがほしい」とか「なんかこうもっとユーザーの胸に刺さるっていうかそういうの」とか「オシャレさが溢れてくるビート」とか。(名嘉)真祈ちゃんなんか「それよりみそ汁食べたい」なんてよくわからないこと言ってたし(笑)。
──メンバーの中には、Windowsユーザもいらっしゃるんですよね?
曽我:この中ではぼくと真祈ちゃんがMacユーザです。で、柿澤(ドラム)とフタキ(ギター)は実はWindowsユーザなんですよ。でも、やっぱりギターリフはギタリストに選んでもらったほうがいいしなあ……と考える中で、「あ、Mac miniがあるじゃないか」と思いついたんですね。
──そこでMac miniがフタキさんのお部屋にお邪魔したわけですね。初対面のMac mini、いかがでしたか?
フタキダイスケ:箱を開けてみて、まずその「小ささ」に驚きました。これならどこにでも置けるなって。あとは普段使っているWindows用のディスプレイやマウスをMac miniに繋ぐのも、あっという間で本当に楽でした。もう説明書もいらないくらいで。
名嘉 真祈子(ヴォーカル):だってあの後Mac mini買おうとしてたもんね。
フタキ:そうそう(笑)。あとは使ってみて、とにかく静かなんで驚いたんですよ。CDを読み込むときにかすかにディスクが回る音がするくらい。
曽我:デザインもアップルらしい洗練された印象がありますね。
──フタキさんのお宅では、Mac miniでどういう作業をされたんですか。

フタキ:GarageBandのギターのループを選んで曲の中に組み込むという作業をやりました。GarageBandは今回初めて触ったんですけど、すごく使いやすかったですね。小学生の子でも使えるんじゃないですかね。
──制作していて処理速度などのストレスは感じませんでしたか?
曽我:そうですね。それは全然なかったです。歌入れ前の時点までで既に8、9トラックぐらいあって、そこにさらに歌を重ねたので大丈夫かなと思ってたんですが、ちゃんと動いてました。それはすごいなと思った。
──曽我さんは以前からGarageBandを使われていたんですか?
曽我:GarageBandは(名嘉)真祈ちゃんがいちばん最初に使い始めたんですね。それでちょっと教えて、と相談されて使ってみたら「これ、便利じゃん!」と。そこからですね。
名嘉:GarageBandが出てすぐ、前から自分でも音源を作りたいなと思ってたので「iLife '04」を買ってみたんです。それまで作曲は、鍵盤を弾いて譜面に残していて。GarageBandで初めて打ち込みに挑戦してみたんですけど、フレーズになったベースラインのループを並べておいて、そこにコードを乗せて、さらにヴォーカルを録音するっていう使い方ができたんですね。これはいい、と思ってバンドのみんなにもすすめて。
曽我:それじゃあ出来上がった曲を聴いてみましょうか。
(インタビュールームに設置されたスピーカーで、制作された曲「Sunrise, Sunset 〜味噌汁は食べるのか飲むのか〜」を試聴)
──素晴らしい曲になってますね。このかたちになるまで何日くらいかかりました?
曽我:あ、ほぼ1日ですよ。
──すごい! 名嘉さんのつぶやくようなボイスエフェクトも幻想的できれいですね。
曽我:はい、「ミソスープ食べた〜い」と言ってます。願いをかなえてあげました(笑)。
──GarageBandで作っても、やっぱり「トルネード竜巻の音楽」に仕上がっていますね。これはどのへんに秘訣があるんでしょう?
曽我:どこだろう…(笑)。GarageBandはとにかくエフェクト系が充実してますよね。プロユースのソフトでも使っているエフェクトがひと通り入ってるし、パラメータもきっちりしてるから、そこはじっくり手を入れました。あと、曲の途中に「ビヨビヨビヨ」って音が入ってるんですけど、それは結構工夫しました。元のループを細かく切って、8小節くらいに分けてランダムに貼って、そこにディレイを長めにかけたんですね。そうすることで複雑な音に聴こえるっていう。
──なるほど、独自の使い方を工夫してますね。仕上がった曲について感想はいかがでしょう?
名嘉:ちょっと始まり方が唐突だよね。
曽我:じゃあ、「ショワ〜〜ン」みたいな音を入れたらいいかも。
名嘉:(ブレイクの部分の)ギターのリフがアップルのCM曲っぽいかも(笑)。
──ところで、皆さんはiPodはお使いですか?
曽我:iPodを使っているのはぼくと真祈ちゃんです。iPodは、資料でもらったCDとか、自分たちの作品のいろんなテイク違いのものとか、主にそういうのを整理するために使ってます。iTunesで整理ができるし、移動中はiPodで聴くこともできるし。むしろ仕事の面ですごく活用している感じなんですよね。
柿澤龍介(ドラム):僕もiPodは欲しいんですよ。ボイスレコーダと一緒に買って録音したいと思ってるんですけど。
名嘉:あ、iPodで録音できるのはいいかもしれない。
曽我:たまに携帯のメモ機能使って録音するもんね。
名嘉:そうそう、メロディとか鼻歌で。
──実は今日、iPod nanoを持ってきているんです。もうご覧になりましたか?
全員:すげー! nanoだ!
柿澤:小さくてノートブックのカードスロットに入っちゃいそうな感じ(笑)。
曽我:(液晶を見て)お、ちゃんとカラーだ。すごいすごい!
フタキ:これで1GBくらい?
──4GBです。約1,000曲入ります。
名嘉:1,000曲! 欲しい(笑)。
──それでは最後に、今後の活動予定などをご紹介ください。
曽我:2005年10月21日(金)に、ニューアルバム『ふれるときこえ』が出ます。遊び心もありつつポップに、いろんな角度から聴ける作品です。特に今回は「日本語詞」に一生懸命取り組んだので、サウンドだけでなくそこも聴き応えがあるかなと。
あとは「One night robot Kicks the rock」という自主イベントを不定期でやっています。これは「喫茶ゲシュタポ」に通じるような、みんなでバカやって音楽を楽しもう、みたいなノリが作れたらいいなと思ってやっています。
──「喫茶ゲシュタポ」もそうですけど、アーティストイメージをいい意味で裏切っていますね。
曽我:ぼくらは常に本当の、リアリティのあることをやりたいんです。そのリアリティというのは今ここでこうやって話してる雰囲気だったり、ふだんスタジオでくだらない話をしているときのヌルい空気だったり。そういうのを音楽でも出していけたらいいなって思ってます。あと、残りのメンバー2人をアップルユーザにするのも今後の活動予定です(笑)。
