プレスリリース 2019 年 6 月 3 日

Apple、アプリケーション開発のための画期的な新しいテクノロジーを発表

革新的なSwiftUI Framework、ARKit 3、そして新しいXcodeのツールにより、パワフルなアプリケーション開発がこれまで以上にすばやく簡単に

ARKit 3はさらに圧倒的なAR体験を可能にする、アプリケーションクリエイターのための最新の開発テクノロジーの1つです。
カリフォルニア州サンノゼ — Appleは本日、デベロッパのみなさんがパワフルな新しいアプリケーションをさらに簡単に、さらにすばやく開発できるようになる、いくつかの画期的なテクノロジーを発表しました。SwiftUIは画期的な開発フレームワークで、パワフルなユーザーインターフェイスをこれまで以上に簡単に構築できます。ARKit 3、RealityKit、そしてReality Composerはデベロッパのための先進的なツールです。これらを使えば、コンシューマー向けアプリケーションやビジネスアプリケーションのために魅力的なAR体験をさらに簡単に作成できるようになります。新しいツールとAPIは、iPadアプリケーションをMacに移行するプロセスをとてもシンプルにします。また、Core MLとCreate MLがアップデートされ、デバイス上の機械学習アプリケーションがさらにパワフルに、効率的になります。
「今日発表された新しいアプリケーション開発テクノロジーにより、デベロッパはアプリケーションをもっとすばやく、もっと簡単に、もっと楽しく開発できるようになります。これはAppleのすべてのプラットフォームのアプリケーション作成の未来を表しています。SwiftUIにより、ユーザーインターフェイスの作成が大きく変わります。プロセスの大部分が自動化され、UIコードのアプリケーション内での外観や動作をリアルタイムでプレビューできます。デベロッパのみなさんにきっと気に入ってもらえるはずです」と、Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ·フェデリギは述べています。
レーシングゲームの「Asphalt 9: Legends」を表示するiPadとMacBook Pro。
Xcodeにより、デベロッパが既存のiPadプロジェクトをMacに移行するのがこれまで以上に簡単になります。

SwiftUI

Swiftのビジョンは、開発をより速く、より簡単に、そしてよりインタラクティブにすることであり、このビジョンの大部分を構成するのが最新のUIフレームワークです。SwiftUIは極めてパワフルで直感的な新しいユーザーインターフェイスフレームワークを提供し、洗練されたアプリケーションUI構築を可能にします。シンプルでわかりやすい宣言型コードを使用して、デベロッパはスムーズなアニメーションを活用する、フル機能を備えた圧倒的なユーザーインターフェイスを作成できます。SwiftUIはインターフェイスのレイアウト、ダークモード、アクセシビリティ、右横書き言語のサポートや国際化など、非常に多くの自動機能を提供するため、デベロッパは時間を節約できます。SwiftUIアプリケーションはネイティブで動作し、非常に高速です。また、SwiftUIはiOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSに組み込まれているAPIと同じなので、すべてのAppleプラットフォームで高度なネイティブアプリケーションをすばやく簡単に作成できます。
SwiftUIのデザインツールのレイアウト。
SwiftUIは最新のUIフレームワークで、すべてのAppleプラットフォームでネイティブアプリケーションをすばやく簡単に作成できます。

Xcode 11がSwiftUIを現実のものに

Xcode 11に新しいグラフィカルUIデザインツールが組み込まれ、UIデザイナーはSwiftUIを使ってユーザーインターフェイスをすばやく簡単に作成でき、コードを記述する必要もありません。Swiftコードが自動的に生成され、このコードが修正されると、UIの変更が即座にビジュアルデザインツールに表示されます。デベロッパがコードの作成、テスト、微調整を行う時に、UIの外観や動作を自動的にリアルタイムでプレビューできるようになります。グラフィカルデザインとコード作成をスムーズに移動できるため、UI開発がさらに楽しく効率的になり、ソフトウェアデベロッパとUIデザイナーがさらに緊密にコラボレーションできるようになります。プレビューはiPhone、iPad、iPod touch、Apple Watch、Apple TVなど、接続されたAppleデバイスで直接実行でき、アプリケーションがマルチタッチにどのように反応するのか、カメラやオンボードセンサーと一緒にどのように機能するのかを、インターフェイスの作成中にリアルタイムで確認できます。

拡張現実

ARKit 3では、人物をARの中心に配置することができます。モーションキャプチャによって人の動きをアプリケーションに統合でき、人のオクルージョンでARのコンテンツが人の前後に自然に表示されるため、さらに臨場感のあるAR体験が可能になり、グリーンスクリーンのような楽しいアプリケーションを作成できます。また、ARKit 3ではフロントカメラで最大3人の顔を検出でき、フロントカメラとメインカメラが同時にサポートされます。共同セッションも可能になり、共有可能なAR体験をより速く提供できます。
ARKit 3のモーションキャプチャは人物をARの中心に配置することができ、動作がさらに自然になります。
RealityKitはARのためにゼロから作成されました。写真のようにリアルなレンダリング、圧倒的な環境マッピング、ノイズやモーションブラーなどのカメラエフェクトを備え、仮想現実コンテンツが現実とほとんど区別がつかなくなります。また、RealityKitには驚異的なアニメーション、フィジックス、立体音響が組み込まれ、デベロッパはRealityKitの機能と新しいRealityKit Swift APIを組み合わせることができます。iOS、iPadOS、そしてMacのためのパワフルな新しいアプリケーションであるReality Composerでは、デベロッパがプロトタイプを簡単に作成してARの体験を生み出すことができ、3D体験を事前に用意する必要がありません。シンプルなドラッグ&ドロップインターフェイスと高品質な3Dオブジェクトやアニメーションのライブラリを備えたReality Composerなら、ARオブジェクトを配置、移動、回転してAR体験を組み立てることができ、Xcodeのアプリケーションに直接統合したり、AR Quick Lookにエクスポートしたりできます。
Reality ComposerとRealityKitにより、ARアプリケーションの作成がこれまで以上に簡単になります。

iPadアプリケーションをMacに簡単に移行

新しいツールとAPIにより、iPadアプリケーションのMacへの移行がこれまで以上に簡単になります。Xcodeでは、既存のiPadプロジェクトを開いて1つのチェックボックスをオンにするだけで、Macの基本機能とウインドウ管理機能が自動的に追加され、タッチ操作やキーボード、マウスなど、プラットフォーム固有のエレメントが調整されるため、Macバージョンのネイティブアプリケーション作成において大変有効なスタートを切ることができます。MacとiPadのアプリケーションが同じプロジェクトとソースコードを共有するため、コードに変更が加えられると、iPadOSバージョンとmacOSバージョンの両方のアプリケーションに変換されます。1つのチームが両方のバージョンのアプリケーションに対応できるため、デベロッパの貴重な時間を節約できます。MacとiPadの両方のアプリケーションで、ユーザーはプラットフォーム独自の機能を楽しむことができ、Macのキーボード、マウス、トラックパッドやMacのユニークな機能であるTouch Barを使う時に、精度やスピードをコントロールできます。
MacBook Proとソースコードの画面。
デベロッパはMacとiOSの両方のアプリケーションで同じプロジェクトを共有できるようになりました。

Core MLとCreate ML

Core ML 3では、先進的なリアルタイムの機械学習モデルのサポートが向上し、さらに多くの種類に対応しています。100を超えるモデルがCore MLでサポートされ、アプリケーションが最新モデルを利用して、画像、自然言語、音声をこれまで以上に深く理解する体験を提供できるようになります。さらにデベロッパは、モデルのパーソナライゼーションを利用して、デバイス上で機械学習モデルを初めてアップデートできるようになります。この最先端のテクニックにより、デベロッパはユーザーのプライバシーを犠牲にせずに、パーソナライズされた機能を提供できます。Create MLは機械学習の開発に特化したアプリケーションで、デベロッパはコードを作成することなく機械学習モデルを構築できます。異なるデータセットを使用した複数のモデルのトレーニングが、オブジェクト検知、動きや音の分類など、新しいタイプのモデルで利用できます。
HomeCourtのAR体験を表示するiPhone。
Core ML 3は非常に高速なパフォーマンスを提供し、機械学習モデルをアプリケーションに簡単に統合できます。

Apple Watch

Apple WatchにwatchOS 6とApp Storeが導入され、iPhoneがなくても完全に独立して動作する、Apple Watchのためのアプリケーションを作成、デザインできるようになりました。
また、Core MLを利用して、Apple Watch Series 4でApple Neural Engineを活用できるようになります。Core MLでトレーニングしたモデルをアプリケーションに組み込み、デバイス上で入力を解釈できるようになり、ユーザーがさらにかしこいアプリケーションにアクセスできます。新しいオーディオストリーミングのAPIにより、Apple Watchだけでサードパーティのお気に入りのメディアアプリケーションのストリーミング再生が可能になります。ランタイムAPIが拡張されてタスクを実行するための時間が追加され、Apple Watchでアプリケーションが前面にいる間や、画面がオフになっている場合でも、心拍数、位置情報や動作を測定する許可されたセンサーにアクセスできます。
Apple WatchのApp Store。
Apple WatchのApp Storeがデベロッパの新しい可能性を開きます。

Apple IDを利用したすばやく簡単、そしてプライバシーを保護したサインイン

Appleでサインインにより、ユーザーが既存のApple IDを利用してアプリケーションやウェブサイトに簡単にサインインできるようになります。フォームに入力してメールアドレスを確認したり、パスワードを選択したりする代わりに、Apple IDを利用してアカウントを設定し、アプリケーションをすぐに使い始めることができるため、ユーザーが利用するまでの時間が改善されます。Appleでサインインではすべてのアカウントが2ファクタ認証で保護されるため、デベロッパがアプリケーションのセキュリティを向上することができます。また、新しい不正防止機能により、デベロッパは新しいユーザーが本物の人間で、Botや不正作成されたアカウントではないことを確認できます。プライバシーを重視した新しいメールリレーサービスでは、ユーザー個人のメールアドレスを公開する必要がなく、引き続きアプリケーションのデベロッパから重要なメッセージを受信することができます。また、Appleはユーザーのアプリケーションの行動を追跡したり、アプリケーションの利用に関するプロファイルを作成したりしないため、デベロッパのビジネスやユーザーに関する情報は、デベロッパのみが管理します。
BirdアプリケーションのAppleでサインインの画面
Appleでサインインは、デベロッパとユーザーに様々なメリットを提供します。

デベロッパのためのその他の機能

  • PencilKitにより、デベロッパがApple Pencilのサポートをアプリケーションに簡単に追加できるようになります。また、ツールパレットが再設計されています。
  • SiriKitに音楽、Podcast、オーディオブックなどのサードパーティ製オーディオアプリケーションのサポートが追加され、デベロッパがiOS、iPadOS、watchOSアプリケーションにSiriを直接統合でき、ユーザーがシンプルな音声コマンドでオーディオをコントロールできるようになります。
  • MapKitは、ベクトルのオーバーレイ、地点情報のフィルタリング、カメラのズームやパンの制限、ダークモードのサポートなど、多数の新機能をデベロッパに提供します。
  • SwiftUIでの言語拡張に加えて、Swift 5.1ではModule Stabilityが追加されます。これはSwiftでバイナリ互換フレームワークを構築するための重要な基盤となります。
  • パワフルで新しいMetal Deviceファミリーが、すべてのAppleプラットフォームの複数のGPUタイプ間でのコード共有を促進し、iOS SimulatorがiOSとiPadOS向けMetalアプリケーションの作成をシンプルにします。

デベロッパツールの画像

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