肥後藩藩主・細川忠利の後を追って殉死した家臣・阿部弥一右衛門。殉死禁止令が出ている最中での切腹が藩命に背いたと問題視され、弥一右衛門の遺族らに処分が下される。不満を露わにした長男・阿部権兵衛が自ら髻を切り落とすと、その行為が逆賊扱いされ、斬首・晒し首に。これに激怒した妹・阿部萌香率いる阿部一族は、兄・権兵衛の首...
〈異種武術戦〉をリアルに描く、剣戟アクション!孤高の老剣士・辻月探が鎖使い、ローマ闘士、三国志の猛将などと真剣勝負!悪党を倒すために強くなりたいと弟子入りした青年・吾作は驚嘆と稽古に明け暮れるーーー剣術に精通する著者が〈異種武術戦〉を通して日本剣術の神髄を活写! ■目次■ ・第一...
孤高の老剣士・辻月探に弟子入りした青年・吾作は修業と異種武術戦を経て成長……仲間の無念を晴らすため仇敵の屋敷へ討ち入る!!奥義を駆使した最終決戦がついに始まるがーー今もなお剣術稽古に没頭する著者が真剣勝負を通して剣術を描く!!!
もと土佐藩の有力郷士であった品川多聞を頭目として薩摩・長州・土佐・各藩の藩士、浪人合わせて百名以上の尊皇攘夷派の者が、ときに乗じて寄り集うといわれる教徒のある屋敷へ、百姓とも武士ともつかぬ男が訪れたのは文久二年のことである。男は土佐の百姓、原玄蔵と名乗った。祖父の代までは下級ながら郷士であったという。玄蔵は品川...
佐野田角造。不動産業兼金融業――戦中戦後の動乱期にどん底から這い上がって巨万の富を築いた人物である――この男、兎に角金に汚い、ケチで有名。しかし金の力を誰よりも知り尽くしている男でもあった。金によって振り回され翻弄される人間たちをシニカルに描いた傑作コメディ「ゼニ馬鹿」など、とみ新蔵のコメディタッチ作品だけを集...
国本八彌の家には雷神丸といわれる一振りの太刀があった。これは八彌の亡き父、国本鬼左衛門が大阪の役でめざましい働きを立てた時、前城主・間部直正より賜った名刀である。それ以来雷神丸は国本家の誇りとされ、家宝とされてきた。間部藩主二代目を継いだのは直正の嫡男正次であるが、正次は父が国本鬼左衛門に与えたといわれる雷神の...
徳川家も五代目(綱吉)を重ねた元禄の頃は、天下はすこぶる泰平、日毎穏やかな明け暮れが続く平和な時代であった。しかし風俗は…町人はもちろんのこと武士迄が柔弱淫靡に流れ擾乱の世相を現出した時代であった。すなわち奇異にして愚劣とも言うべき男色がすさまじいほど大流行した時代でもあった…。戸田家藩士、棚町隼人が山中で一人...
尼子経久の居城、富田城……城主・経久直々に呼び出された本庄助次郎は大急ぎで馳せ参じた。突然の呼び出し、要件は何かと問うと経久は「わしに命をくれぬか」と一言。流石に面食らう助次郎だったがすぐにその場で斬首されることを選んだ。経久は一喝とともに刀を振り下ろす!…も、助次郎の首は飛ばず、今のは嘘だ、助次郎にと告げるの...
明治元年八月二十三日、会津藩士白虎隊・朱雀隊・青竜隊・玄武隊および旧幕兵全員は怒涛のごとき征討軍を迎え撃ってせいふう血雨の惨たる闘いを繰り広げて敗れ去った。中でも飯盛山へ逃れて絶望の果てに自刃した会津白虎隊第二番隊の最後は悲惨の一語につきるものであった。ちょうどこのおり…少年剣士らを飯盛山へ追い上げた征討軍の一...
芸者玉千代が首の骨を折られて殺されたのは一年前!...