「李陵」は昭和初期に活躍したが惜しくも早世した小説家である中島敦の短編小説。前漢の武帝の時代、侵略をくりかえす匈奴を討つために北辺の地へ向かった李陵であったが、やむなく捕虜となってしまう。そしてその李陵を弁護した歴史家・司馬遷は、宮刑に処されてしまう。時代の波に翻弄される男たちの姿を描き、“人間の真の美しさ”を...
明治・昭和時代の日本の小説家である中島敦の作品。詩人として名を成そうと志すも、「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」のせいで切磋琢磨しようとせず、人喰い虎と化してしまった元官吏・李徴。進んで教えを請い、求めて友と交わることの大切さ…。自分の中にある僅かばかりの才能の空費…。努力を嫌う怠惰…。自分自身のことを指摘されてい...
「中島敦全集」は明治から昭和時代にかけて活躍した作家である中島敦の作品集。この作品には、著者の有名な「盈虚」「狐憑」「牛人」「山月記」などの随筆が収録されている。
『光と風と夢』は明治から昭和にかけての日本の小説家中島敦の長編小説。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの南洋生活記の体裁を採っている作品。
昭和初期ににかけて活躍したが惜しくも早世した小説家、中島敦の短編小説。儒教の開祖・孔子と、その弟子となった直情径行の青年・子路の関係を綴った物語。掲載号の編集後記でも、《氏は昨春「光と風と夢」の一作を世に問ひ、将来ある新人として令名を馳せるや、さらに本誌への自信のこの作品を寄せたが物故された。したがって新鮮味溢...
悟浄は自意識が強く、知識を持つゆえに、妖怪たちの中で一人苦しみ悩み、流沙河に住むさまざまな賢者や隠士を訪ね歩く。三蔵法師に出会う前の悟浄を奔放な発想で描く。1942(昭和17)年7月『南島譚』に収められた。
「悟浄歎異」は明治から昭和時代にかけて活躍した日本の小説家である中島敦の作品。西遊記の沙悟浄の視点による異色作。積極的で天才的な孫悟空、享楽主義の猪八戒、弱さの中に貴い強さを持つ三蔵法師。「俺みたいな者は、いつどこの世に生まれても、結局は、調節者、忠告者、観測者にとどまるのだろうか。けっして行動者にはなれないの...
『環礁』は、1909年(明治42年)5月5日 - 1942年(昭和17年)12月4日、日本の小説家、中島敦の作品。初出は「南島譚」今日の問題社、1942(昭和17)年11月。この作品には、「寂しい島」「夾竹桃の家の女」「ナポレオン」「真昼」などが収録されている。
「文字禍」は昭和初期に活躍したが惜しくも早世した小説家、中島敦の短編小説。古代アッシリヤの図書館で、毎晩の闇の中で怪しい声がする。大王に召された老博士ナブ・アヘ・エリバは、この「言葉の精霊」についての研究をすることになるが、やがてニネヴェが大地震に見舞われる。
この作品の作家は、中島 敦(なかじま あつし、1909年(明治42年)5月5日 - 1942年(昭和17年)12月4日)は、日本の小説家。『狐憑』は底本の「中島敦全集第一巻」では「フィクション&文学」としてまとめられている。初出は1976(昭和51)年3月15日。