2人の女性を殺害した罪で起訴され一審で死刑判決を受けている35歳のアート写真家、美しき魔性の姉、そして亡くしたものを形にする人形師。作品は、本を書くために獄中の写真家を訪ねたライターによる口述伝記という体裁を取り、複雑に絡み合った人間模様と狂気の様相を描き出す。いたる所に張られた数々の伏線、登場人物たちの繊細か...
東京を仕事場にする天才スリ師。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」――運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れ...
【「アメトーーク!」読書芸人でも紹介され、大反響!】絶対的な闇、圧倒的な光。「運命」に翻弄される4人の男女、物語は、いま極限まで加速する。米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)年間ベスト10小説、アメリカ・デイヴィッド・グーディス賞を日本人で初受賞、いま世界で注目を集める作家の、待望の最新作!...
「この作品が自分は一番嫌いだ」(奥泉光選「道化の華」)、「不思議な明るさに包まれた怯えの百面相」(堀江敏幸選「富嶽百景」)、「『男性というものの秘密』を知っている作家」(松浦寿輝選「彼は昔の彼ならず」)――七人の男性作家がそれぞれの視点で選ぶ、他に類を見ない太宰短篇選集。
小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが“自分のルール”を語りつくす。 大人気番組、ついに書籍化!...
「情報テクノロジーの支配する社会で、もっとも痩せているのが「文学の言葉」です。私は永く「文学の言葉」で生きてきました。いまも注意深く見れば創られている、力にみちた「文学の言葉」を、知的な共通の場所へ推し立てたいのです」大江健三郎――2007年から8年間にわたり大江健三郎一人によって選考された「大江健三郎賞」の全...
社会の"普通"に疑問を投げかけるテーマ性で第155回芥川賞を受賞した、村田沙耶香の「コンビニ人間」。愛情深い家庭の元で育ちながらも、幼い頃から空気が読めず問題を起こしてきた主人公の古倉恵子。だが大学1年の時、新規オープンするコンビニのバイト店員として働き始め、その時自分が初めて世界の正常な細胞の一つとして生まれ...
「お客さん、前から見ても分からないのに、背中を見るとわかるものって、何だか知ってますか?」 海外出張へは年中あるのに、あの日のアリゾナ州フェニックスへの出張は僕にとって忘れがたい思い出のひとつになった。 目覚めると空港に到着しているはずの時刻。そこから起こる数々のハプニング。果た...
西加奈子最新短編小説集『わたしに会いたい』、11月2日(木)発売・配信決定!コロナ禍以前の2019年より、自身の乳がん発覚から治療を行った22年にかけて発表された7編と書き下ろし1編を含む、全8編を収録。 詳しく見る この作者の本
京都大学在学中にデビュー以来、「葬送」「ドーン」など、思慮深くウイットに富んだ作風で支持を集める平野啓一郎。本作「マチネの終わりに」では40代を迎える2人、クラシックギタリストの蒔野聡史と海外の通信社に勤める記者・小峰洋子の大人の恋愛模様を描く。蒔野は天才と評される人気ギタリストだが、その内面に音楽家としての煩...