本書は、新渡戸稲造の『武士道』、岡倉天心の『茶の本』の先鞭をなし、外国人に向かって英文で書かれた「日本紹介の本」であり、現在もなお「日本とは何か、また日本人とはなにか」を日本側から紹介した名著として、欧米諸国で広く知られる本となっている。『代表的日本人』は外国人のためにだけ紹介されたわけではなく、日本人に向かっ...
「内村鑑三全集」は万延から昭和時代にかけて活躍した日本の小説家である内村鑑三の作品集。この作品には、著者の有名な「時事雑評二三」「寒中の木の芽」「後世への最大遺物」「聖書の読方 来世を背景として読むべし」などが収録されている。
「後世への最大遺物」は明治の思想家・宗教家である内村鑑三が箱根・蘆の湖畔で1894(明治27)年にキリスト教徒夏期学校で行った講演の記録。この作品はユーモアに満ちた語り口の中にも深い内容を湛えた近代の名著。
罪のない人になぜ災いがふりかかるのか、なぜ神は黙しているのか――最も深遠な問いを人間に投げかける旧約聖書「ヨブ記」を、村は「実に個人的なるが故にまた普遍的」な「魂の実験録」ととらえた。神に向かって叫ぶ人ヨブの物語に寄り添い、徹底的に「読む」ことによって蘇らせる、血のかよった講演録。(注・解説=鈴木範久)
「私は教師でも牧師でも神学者でも何んでもありません」。内村の思想・行動の中核をなす信仰とは学問的真理ではなく、自身の生に根ざした「事実」であった。なぜ信じるのか、なにを祈るのか――1900年、「ただの普通の信者」として率直な言葉で語られた理想的人間・社会論は,今なお新鮮である。(注・解説=鈴木範久)
この作品の作家は、内村鑑三(うちむらかんぞう、万延2年2月13日(1861年3月23日)-昭和5年(1930年)3月28日)は、日本のキリスト教思想家・文学者・伝道者・聖書学者。『聖書の読方(来世を背景として読むべし)』は底本の「日本の名随筆 別巻100 聖書」では「聖書」としてまとめられている。
『代表的日本人(Representative Men of...
西洋文明一辺倒の時代の最中、“日本的キリスト教”の可能性を生涯にわたり追い求めた内村鑑三——。成功と失意、試煉と名声に彩られた波瀾の一生を、従来の鑑三論を超えた独自の視点で描き上げた。【目次より】●第一章文明としての英語●第二章内地留学と米国留学●第三章流浪と思索の日々●第四章ペン一本の預言者●第五章試練と名声...
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮。無関係にも見える五人の生涯は、内村のなかでどのようにつながっているのか? 「無批判な忠誠心や血なまぐさい愛国心」とは異なる、日本人のあるべき姿を解き明かす。
近代日本に光を放った内村鑑三の人間像を読み解く 詳しく見る この作者の本