静謐で美しい世界観を得意とする作家・小川洋子による「博士の愛した数式」。第55回読売文学賞などを受賞した本作は、交通事故が原因で、記憶が80分しか持続しない数論専門の元大学教師である"博士"を中心に、家政婦の"私"とその息子"ルート"の3人の友愛があたたかな筆致で綴られる。消えていく記憶をメモにして、背広にびっ...
家政婦歴10年以上の「私」が派遣されたのは、記憶が80分しかもたない、一人暮らしの数学博士の家。彼の第一声は「君の靴のサイズはいくつかね?」だった。数字で物を語る博士に、初めは驚いた「私」も、博士の優しさに触れ、不思議な幸せを感じ始める。「私」の10歳の息子を含めた3人で過ごした日々は、奇跡のように美しい時間と...
図書室で夢中になった『秘密の花園』『小公子』、でも本が無い家だったので愛読書はなんと『家庭の医学』だった。13歳で出会った『アンネの日記』に触発されて作家を志す。オースター、ブローティガン、内田百けん、村上春樹……本への愛情がひしひしと伝わるエッセイ集。思わぬ出会いをたくさんもたらしてくれた『博士の愛した数式』...
ささやかな日常から真理を見いだす作家の目『博士の愛した数式』『ミーナの行進』などで知られる小川洋子さんのエッセイ集。インドとドイツの区別がつかなかった子供の頃。「君、明治生まれ?」とボーイフレンドに揶揄された学生時代。 詳しく見る この作者の本
あなたは、「変わった人」と言われたことはありますか?...
人々の悩みに寄り添い、個人の物語に耳を澄まし続けた臨床心理学者と、静謐でひそやかな小説世界を紡ぎ続ける作家。二人が出会った時、『博士の愛した数式』の主人公たちのように、「魂のルート」が開かれた。子供の力、ホラ話の効能、箱庭のこと、偶然について、原罪と原悲、個人の物語の発見……。それぞれの「物語の魂」が温かく響き...
東大からの挑戦状!?伝説の入試問題に挑め!1998年・3月。東京大学理科一類の後期日程試験に、過去に類を見ない数学の奇問が出題された。 詳しく見る この作者の本
不思議な生き物ブラフマンと共に過ごす夏の物語。小川洋子の穏やかで美しい文章が染みる。
数に隠されている神秘と美しさ。その偉大な真理に向き合う芸術家ともいえる数学者たち。ひとつの作品を生み出すきっかけや、小説へのあふれる想い。少女時代の『アンネの日記』との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅。そして天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の小さなできごとや出会いを、素晴らしい作品へと...
魔犬の呪いから逃れるため、パパが遺した別荘で暮らし始めたオパール、琥珀、瑪瑙の三きょうだい。沢山の図鑑やお話、音楽に彩られた日々は、琥珀の瞳の奥に現れる死んだ末妹も交え、幸福に過ぎていく。ところが、ママの禁止事項がこっそり破られるたび、家族だけの隔絶された暮らしは綻びをみせはじめる。