第二次大戦終戦直後のパリで行われた講演をまとめた本書は、私たちが自由でなければならいことの意味と、思索し続けることの意義を、未来への希望とともに語りかける。本書に込められたサルトル哲学の本質を、代表作『嘔吐』や盟友ボーヴォワールとの仕事や関係にも触れながら、混迷を深める21世紀世界にこそ必要な視座として、わかり...
「本は人生をすっかり変えてしまう。この事実を、ほかのどんな現代哲学よりもはっきりと証明してみせたのが、1950年代から60年代にかけて世界じゅうに広まった実存主義だった」 1933年、パリ・モンパルナスのカフェで3人の若者、...
実存主義とは、「事物の存在」とは異なる「人間存在」の特有なありかたをあくまでも守りぬこうとする思想的文学的な動きをいう。実存主義を育てた第二次大戦直後の思想的状況と、実存思想の歴史的系譜を語り、ハイデガーやサルトルの思想を紹介しつつ、実存、自由、状況、他者、不安、賭、価値、神など実存主義の諸問題を論ずる。
人間はだれでも自由でありたいと願う。昔から人類の教師とよばれ、哲人賢者とよばれる人びとは、人間の自由について多くのすぐれた思惟と叡智を示し、その教説をさまざまな著作に書き残してきた。特に荘子は、観念的な思考方法ではなく、いかに囚われることのない自由な自己をもちうるかを明らかにした。 荘子を敬愛し、 「荘子」...
二十世紀を代表する二つの思想――実存主義と構造主義。この「実存」と「構造」という概念は、実は表裏の関係にあり、人生に指針を与え、困難な時代を生きるための思考モデルでもある。同時代的に実存主義と構造主義の流れを体験してきた作家が、さまざまな具体例、文学作品等を示しつつ、今こそ必要な「実存」と「構造」という考え方に...
心と脳は同じものなのか、心はすべて物理的な理論で説明がつくのか、心と脳はなぜ「サイクリングと自転車」の関係に似ているのか――。『世界はなぜ存在しないのか』で「世界」を論じた気鋭の哲学者がつぎに切り込むのは「心」。脳科学全盛の時代に、実存主義と心の哲学をつなげ、21世紀のための新たな存在テーゼを提示する。
『侘び然び幽玄のこころ』で日本の美しくも厳しい精神哲学を解き明かした著者が、「生きること」の本質と<自分>という存在の根源的命題を問う。人類73億人のほとんど全員が一生考えることなく終わってしまう人間の根源的命題<自分>について考察する。...
一九六〇年代初め、サルトルの実存主義に代わり、西洋近代を自己批判的に解明する構造主義が世界を席捲した。レヴィ=ストロースをはじめ、ラカン、バルト、アルチュセールの活躍。六八年の五月革命と前後するフーコー、ドゥルーズ=ガタリ、デリダによるポスト構造主義への展開。さらには九〇年代の管理社会論と脱構築の政治化へ。構造...
焼きじゃがみそを食べると死ぬ? どうして“社会の窓”というのか? 全員0点なら赤点制度はなくなるのか……。「特選明るい悩み相談室」第2弾のテーマは〈常識〉。世の中に流布するルールやマナー、我が家だけで通用するしきたりに悩む人々が、鬼才・中島らもの戸を叩く。ニッポンの常識を根本から問い直す爆笑人生相談。
「身体のマグマが幻想や幻惑、生命の喜びにますます火柱を噴き上げ、相手をのみ込もうとあやうく今にもあふれ出そうとしているのだ。」 詳しく見る この作者の本