高校時代はおとなでも子どもでもない宙ぶらりん、悩み多き世代。三年三組の面々にも、異性へのビミョーな問題がもり沢山だ。独占欲への嫌悪感ゆえに恋人と別れる潮(うしお)公平。人間の醜悪面を偽悪的に言いつのる飯塚。しのぶとの愛にとまどう石川。好漢の西郷さえコンプレックスの持ち主だ。熱き季節・高校時代を120パーセントに...
「こんなのはじめて」と、理江(りえ)が言った。魅力的な女性でありながら、心理的な不感症になっていた人妻・光岡理江が、小説家・吉井に初めて心を開いた。...
少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊。小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 詳しく見る この作者の本
「三人で、寝ましょう」歌子は、恋人の春夫と友だちの照子を誘った。絶頂に到達しない照子に、女の悦(よろこ)びを感じさせようというのだ。「歌子さんに悪い」と、躊躇(ちゅうちょ)する照子の感覚に《おんなへの序曲》は奏(かな)でられるだろうか?(表題作)戯れか愛か──男女の心像を描いてやまない筆者が、多種多様に映してみ...
性に奔放貪欲な女子大生との“危険な情事”。 詳しく見る この作者の本
京太と芙佐子。二人は、中学では天真爛漫な友人同士だったのに、高校に入ったとたんに、ちぐはぐな間になってしまう。好きだからつっけんどんな振る舞いをする京太。それを見て反目する芙佐子。しかしそれは性を意識した少年少女が陥る思春期の罠なのだ。やがて京太は、ある事件をきっかけに、芙佐子への本当の気持ちに気づく。思春期の...
一樹と静子は、通う高校は違うが、中学校のころから自他公認の“恋人”同士だ。愛し合っているんだからひとつに……と、静子のカラダを求めたい一樹。しかしまだ高校生だからと、彼の望みを受け入れられない静子。やがて二人は若すぎる愛を完成させようと「結婚」へと踏み出す。愛と性とのバランスにとまどう思春期の男女を描いた佳品。
「二年二組」は、日の丸校長のインボウで、校内の不良分子を集めたくせ者ぞろいの巣窟。天才はだしのギャンブラー、すご腕の女たらし、自己表現が腕力の国原と熊野、そしてだれをも魅了してやまない西川知子……。なぜか知子も、はきだめのツルのごとく、二組に編入されていたのだ。かくして不思議な魅力をたたえたマドンナこと知子を中...
池田章生は、転校生の北原小雪を見初めて以来、彼女のことが好きだった。お互いに好意をいだきながら、それに気づかない章生と小雪。一方ひそかにそれを知る吉川泰子も章生が好きだ。殻に閉じこもり注意深く感情を表さない小雪とは対照的に、すべてに開放的な泰子。積極的な泰子と結ばれかけたとき、章生は自分の本当の心が、小雪に傾い...
あらたに真吾に迫りくる未亡人の甘い誘惑。 詳しく見る この作者の本