品川の廻船問屋に押し込みが入り、乳母の看病にきていた娘の証言で盗賊はお縄に。が、賊は島抜けし、江戸へ舞い戻る。告げ口の仕返しを恐れて、娘は「かわせみ」に預けられることに。冬の庭をいろどる山茶花は、事件の顛末を静かに見つめる──。絆を深めあう旅籠の女主人るいと恋人東吾、あてられっぱなしの同心・源三郎、二人の仲を見...
江戸情緒をたたえた捕物帳でロングセラーとなった、人気シリーズの新装版の第一作。大川端にある小さな旅籠「かわせみ」。若き女主人るいは、元・同心の娘。都市を行きかう人びとがひと時のやすらぎを求めて投宿する。ときに、表沙汰にできない厄介ごとを胸に秘めて……。誘拐、詐欺、敵討ちなど、大小さまざまの事件に巻きこまれながら...
「世の中には馬鹿な奴が居りますもんで」と、一杯入った長寿庵の長助が始めたのは、幽霊が殺されたという話。不審に思った東吾と同心・源三郎が調べると、思わぬ事件に行き当たる……。表題作ほか、「恋ふたたび」「奥女中の死」「川のほとり」「源三郎の恋」「秋色佃島」「三つ橋渡った」の全七篇を収録した捕物帳。大好評の「御宿かわ...
「御宿かわせみ」は江戸人情だけじゃない、ミステリも侮れない! これまで発表された全作品の中から、ミステリとしても秀逸な作品を厳選してお届けします。 物理トリックに心理トリック、フーダニットにホワイダニット……。 詳しく見る この作者の本
2023年6月9日に逝去された平岩弓枝さん。 詳しく見る この作者の本
江戸情緒をたたえた捕物帳でロングセラーとなった大人気シリーズ「御宿かわせみ」の既刊34巻(文春文庫)を1冊にまとめた合本。 詳しく見る この作者の本
本所で「狐の嫁入り」騒ぎが頻々とおきている。花嫁行列の駕籠が宙に浮いて、青白い狐火が飛ぶのだとか。妖怪変化のうわさ話、と最初は聞き流していた神林東吾だが、同心・畝源三郎が続出する目撃者を捨てておけぬと慌しい。ふたりで真相究明に乗りだし、かわせみの女主人・るいも一役買って……表題作ほか「師走の月」「迎春忍川」「梅...
「かわせみ」に奉公に来たばかりの頃は、山出しの猿公(えてこう)といわれたお石だが、女中頭のお吉の丹精の甲斐あって、気のつく働き者の娘に成長した。ある日、大店の嫁にという縁談が舞い込むが、本人も「かわせみ」の人々もいまいち乗り気になれない。折角の良縁と、前向きに考えようとするのだが……。「お石の縁談」「代々木野の...
「ここは、いったい、どこでしょう」寒い朝、ふらりと橋の袂から出て来た若い娘は、数日間の記憶を失っていた。つづいて名主の娘、水油問屋の娘、煙草問屋の女房、筆屋の娘と神田界隈で神かくしがおこるが、一体これは事件なのか、それとも色恋の辻褄あわせか?...
元公卿の華族・春日井正親の第3夫人・蝶子が「かわせみ」に逗留することになり、るいの留守を預かる千春は大いに緊張する。思いのほか気さくな華族夫人に、胸を撫で下ろしたのもつかの間、常客の鼻つまみ者・銀三の案内で、築地居留地に出向き、賭事に興じているという。夫人の本当の狙い、その意外な正体とは?...