夏の終わり、美しい絵画に彩られた別荘で次々と女性が殺される。読者を迷宮へ誘う叙述トリックの名作。
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?...
2020年末から2023年までに発表された、筒井康隆による掌編(しょうへん)25作を集めた『カーテンコール』。著者いわく「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」という本作は、熱心な筒井ファンのみならず、幅広い読書人におすすめの作品集だ。作家より最後のあいさつとなる表題作をはじめ、好きな女性のために身を引い...
閑静な住宅街で発生した連続幼女殺人事件! 幸せな家庭の美しく優しい母親の前歴は? そして変質者でいっぱいの登場人物たちのうち、いったい誰が犯人なのか?...
日本SFの黎明期における同人誌〈NULL〉の創刊と、その掲載作「お助け」が江戸川乱歩に発見されての商業デビュー。『時をかける少女』などのヒットや「浸透と拡散の時代」を経て、エンタメ小説黄金期における大活躍と断筆宣言。そして日本文学界の大家となり「最後の長篇」の執筆に至るまで――半世紀を超える作家生活を自ら語り明...
さまざまな不条理を自身の小説世界に落とし込み、目の前の現実が反転するような体験を読者にもたらしてきた鬼才、筒井康隆。彼が本作で挑んだのは、物語が進むにつれて“使える文字が徐々に減っていく”というユニークなコンセプトだ。広義ではSF小説といえるが、むしろ小説というフィクションの解体をもくろむ実験として捉えるべきだ...
日本に陪審制度が復活した。おれたちゃ最初の陪審員。マスコミがこんなに注目してるのに、無罪の被告をそのまま無罪にしたんじゃつまらない。なんとか殺人罪にできないものか……『12人の浮かれる男』。新婚スタアの新居びらきパーティにやってきたのは、夫の情婦に妻のヒモ、はては白熊、ターザンまで。大ドタバタのなかでくりひろげ...
聖なる救世主か? はたまた狂気の騒動師か?...
見知らぬ夜の街で、裸の美女に案内されて奇妙な洞窟の温泉を滑り落ちる……エロチックな夢を映し出す表題作。江戸末期、アメリカより漂着した黒人達と、城をあげてのオールナイト・ジャムセッション……底抜けに楽しい「ジャズ大名」。幻想小説、言語実験、ナンセンス、パロディ、ドタバタ、純文学に至るまで、著者独自の迷宮的世界をみ...
ツツイヤスタカ宇宙でしか見られない難病奇病珍現象を一堂に集めた世にも奇怪な博覧会。クレール蟹の甲羅の味噌を食べたために、頬が甲羅に変形する『蟹甲癬』。シャラク星でドド豆を煮るのに失敗した時に起る恐怖の『顔面崩壊』。マザング人との地獄のコミュニケーション法『関節話法』。ほかに『こぶ天才』『問題外科』『ポルノ惑星の...