「願はくは花の下にて春死なむ」――どうすれば西行のように清々しく生きられるのか。出家の背景、秀歌の創作秘話、漂泊の旅の意味、桜への熱愛、無常を乗り越えた「道」の思想、定家との意外な関係、芭蕉への影響……偉才の知られざる素顔に迫る。西行一筋60年、西行歌集研究の第一人者がその魅力を語り尽くす決定版。
願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃――.山家集,聞書集,残集,御裳濯河歌合,宮河歌合ほか,現在知られている西行の和歌のすべて約2300首を集成.脚注のほか,詳細な補注・校訂一覧を付し,広く日本の詩歌に関心のある読者にとって読みやすいだけでなく,専門家の研究にも資する決定版.※この電子書籍は「固定レ...
新古今時代の歌人に大きな感銘を与えた西行。その歌の魅力を、一首ごとの意味が理解できるよう注解。たっぷりの補注で新釈を示す。歌、脚注、補注、校訂、人名・地名・初句索引、年譜を所収。 ※【電子特典】電子書籍版特典として、「西行略年譜」と、『山家集』の歌がほかの家集や勅撰集に採録されている状況を示した「他出一覧」がつ...
平安末期、武士の道を捨て家族を捨て、ただひたすらに和歌の道を究めるため出家の道を選んだ西行。その心の軌跡を、伝承歌も含めた和歌の数々から丁寧に読み解き、桜を愛し各地に足跡を残した大歌人の生涯に迫る。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
花も鳥も風も月も――森羅万象が、お慕いしてやまぬ女院のお姿。なればこそ北面の勤めも捨て、浮島の俗世を出離した。笑む花を、歌う鳥を、物ぐるおしさもろともに、ひしと心に抱かんがために……。高貴なる世界に吹きかよう乱気流のさなか、権能・武力の現実とせめぎ合う“美”に身を置き通した行動の歌人。流麗雄偉なその生涯を、多彩...
若年のある時、在俗の名門武士が不明の動機で出家遁世した。真言浄土の思想に動かされながら、同時代の捨て聖たちとは対照的な生きざまを辿り、詩歌を通じてしか、いっさいの思想を語らなかった――西行とは何ものであったか。豊潤な感性を強靱な論理で見事に展開する西行論。「僧形論」「武門論」「歌人論」の3部構成で西行の〈実像〉...
和歌で名を成す西行は、流鏑馬の達人で蹴鞠もこなす。文武両道に秀で、雅俗両面の西行の青春期に焦点を当てて、平安末期のドラマチックな時代の中で生きる姿と待賢門院璋子との恋を描く。
若狭小浜の領主・国枝権太夫の邸で能を舞っていた世阿弥はふりしきる桜から霊気をおぼえ、禁呪の法である“反閇”を踏んだ。領主の奥方が桜谷からこの枝垂れ桜を植え替えて以来、奇病に伏しているという。桜谷を訪れた世阿弥が知った驚くべき事実とは!...
阪神淡路大震災から2カ月半ほどたった頃、愛媛県松山市のホテルで絞殺死体が見つかった。男の背中一面に桜の刺青があったことから暴力団同士の抗争かと思われたが、殺されたのは退官した高級官僚と判明した。 ひとり娘の話から、父親は西行法師に傾倒し、その足跡、事蹟を訪ねることが退官後の趣味だったという。持ち物を調...
天下を掌握した豊臣秀吉は、ついに無謀な朝鮮侵略を目指す。キリシタン大名・小西行長は、主・秀吉の野望のままに従うか、それに背いて神の教えを守るべきか、と苦悩する。そんな彼に理解を示す石田三成。対照的に敵意むき出しの加藤清正。やがて秀吉を説得し海を渡った行長は、講話交渉の駆け引きに畢生の手腕をふるい、己のすべての夢...