史実を基に入念な取材を重ねて作品に仕上げる記録文学の雄、吉村昭の「関東大震災」。1923年(大正12年)9月に関東地方で発生した大地震と、これに由来する大規模火災により多くの犠牲者が出た様子などを、多数の資料に当たり、丹念につづった力作。被害状況を数値で記すだけでなく、子供から大人まで多くの被災者の体験記録など...
突如として起こった大地震。新宿で震災に直面した平凡なサラリーマン・西谷久太郎は、家族に会いたいが一心で大混乱に陥った首都を横断する。生きていれば必ず道は見つかる。次から次へと襲いかかる災厄を乗り越え、ついに自宅にたどり着いた西谷が手にしたものは――。実用情報も満載したシミュレーション小説。(講談社文庫)
東京の都市化・近代化を進めたといわれる関東大震災(大正12年/1923年)は、実は人々に過去への郷愁や土地への愛着を呼び起こす契機となった。民俗学や民藝運動の誕生、民謡や盆踊りの復興は震災がきっかけだ。その保守的な情動は大衆ナショナリズムを生み、戦争へ続く軍国主義に結びつく。また大震災の経験は、合理的な対策に向...
2023年9月1日は関東大震災から100...
『大正十二年九月一日の大震に際して』は大正時代に活躍した「新思潮派」の作家、芥川竜之介の随筆。小品集「百艸」[新潮社、1924(大正13)年]に収録。「古書の焼失を惜しむ」は「婦人公論」[中央公論社、同年同月]、単行本未収録。全集10巻に合わせて収録。いずれも関東大震災に関する文章。
〈 100年前の9月1日、町は大きく揺れた 〉そこに暮らす人びとは、どのように生き延び、記憶したのか。人びとの声と文学者などの日記から振り返る関東大震災。---------〈 1923年に起きた関東大震災から100年...
2023年9月1日、関東大震災から100年。 見る事で知る、震災のリアル。 東京都慰霊協会が運営する復興記念館に所蔵されている写真を地域別に掲載し、当時の状況を辿ります。巻末には著者の解説とともに、現在と当時の地図を掲載します。次の震災のことが語られる今、未来への教訓として、関東...
「大丈夫だよ」と言葉で伝えるかわりに、周囲を笑わせることで「大丈夫」を伝えるのが関西人。「おい、これテレビで全国に流れるぞ。関西人やねんからなんかボケてみせ、ボケてみせ」「こんだけ応援したっとんのに立ち上がろうとせん。阪神といっしょや」 詳しく見る この作者の本
「関東大震災における朝鮮人虐殺はなかった/少なかった」「正当な自衛行為だった」。学術的には顧みられることがなかったこのような「虐殺否定」論が論文となり、ケンブリッジ大学出版局刊行の書籍に収録される予定があった。執筆者はハーバード大学教授。論文を読み進めてみると、主張の根拠とされているのは当時の日本の新聞だった。...
一九二三年、東京は関東大震災により未曾有の被害を被った。しかし元禄・安政地震の記録をひもとくと、関東大震災の被害が地震規模に対して著しく大きかったことがわかる。被害を拡大させた要因は何か。江戸という町の発展と震災後の帝都復興をたどれば、見えてくるのは都市計画の果たす役割の大きさだ。科学技術が進んだことが、新たな...