荒井由実のデビューは、ポップ界隈だけでなく、日本の音楽界全体における衝撃だったことは想像に難くない。映像的な歌詞、都会的で洗練されたソングライティング、ビブラートを抑えた柔らかな歌声。高校生で作曲家の専属契約を果たした早熟の天才少女は、名匠、村井邦彦に説得されて、美大の2年生でこの大傑作を完成する。伸びやかな歌...
恩人のピアノの前にたたずむモノクロームでシックなジャケットながら、音楽的にカラフルかつバリエーション豊かに仕上げられたセカンドアルバム。バッキングを務めるキャラメル・ママが、時代のフュージョンやソウル、フォークロックと見事に呼応するサウンドを奏で、この時点ですでに完成の域に入っているユーミンならではの旋律と世界...
前2作「ひこうき雲」と「MISSLIM」をキャロル・キングに通じるシンガーソングライター然とした私小説のような作品とするならば、本作は、ポップスとして饒舌なエンターテインメント性をいたるところに配置したきらびやかな作品であり、彼女のブレイクポイントとなった一枚。ファンキーなリズムとクールなローズピアノのバッキン...